経静脈的腎盂尿管造影

 

検査によってわかること

お子様に点滴を入れて、そこから造影剤を注入すると、腎臓から造影剤が排出され排出された造影剤は尿管を通り膀胱まで移動します。この造影剤が排出される過程を、時間を決めて何度かX線写真を撮ることにより、尿の流れる経路(腎臓から膀胱まで)に異常があるかどうか調べることが出来ます。

 

検査の実際

検査する際には、金属(ボタン、ホックなど)類は、身につけないで下さい。

検査は完全予約制になっています。予約の時間に遅れると、他の予約患者さんの検査に支障を来たします。このため、時間に遅れた場合お子さんの検査を中止していただくことがあります。

 

1.      造影剤によりアレルギー反応を起こし嘔吐することもあるので、朝食はとらず、飲水は7:00までにして下さい。

2.      815までに外来に来ていただき、点滴を入れます。

3.      通常、検査は8:30より行います。造影剤の注入前、注入直後、5101530分後、(場合により、1時間後)にX線写真の撮影を行います。

4.      検査後、特に問題なければ、点滴を抜き、飲食はすぐに出来ます。

 

造影剤アレルギーについて

造影剤の副作用として、吐き気、嘔吐、熱感などを訴えることがあります。ただし、検査時に泣いたことによる嘔吐はアレルギーではないので心配ありません。稀ですが、アレルギー発作として、喘息様の咳、呼吸困難などの重篤な症状を伴うことがあります。詳しい書類を添付しますので、検査前に必ず読んでください。

 


造影剤の役割と副作用について

1)造影剤の性質とその役割について

造影剤は画像診断検査に際して、画像コントラスト(濃淡)を増強するための検査薬です。通常静脈より注射投与します。注射された造影剤は血管を介して全身の臓器へと分布し、腎機能が正常な方では注射後速やかに腎臓から尿中へと排泄され、24時間以内にほとんどが体外へと排泄されます。この過程を時間を追って撮影するのがこの検査法です。

2)造影剤の副作用と合併症について

現在用いられている検査用造影剤は一般に安全な薬剤とされていますが、副作用が生じることがあります。造影剤の副作用は注射直後から数分以内に発生する場合(即時型)と、数時間から数日後に発生する場合(遅発型)があります。具体的な副作用の種類は以下のようなものです。

@軽度の副作用:吐き気・動悸・皮膚のかゆみ・発疹など

これらの副作用は基本的に経過観察のみで、特別な治療を必要としません。これらの副作用のおきる確率は造影検査全体の約2%(100人に2人)と報告されています。また、造影剤の注射は血管内に確実に点滴の針が入っていることを確認してから開始しますが、途中で皮膚の下にもれて痛みやしびれなどを生じることがあります。多くの場合自然に回復しますが、まれに皮膚切開などの治療が必要となる場合があります。

A重度の副作用:呼吸困難・意識障害・血圧低下など

まれに治療が必要となる重い副作用が起こることがあります。これらの副作用のおきる確率は造影検査全体の約0.1%(1000人に1人)と報告されています。時に入院や手術が必要となり、場合によっては後遺症が残る可能性があります。非常にまれですが病状経過・体質により、重篤な副作用の結果死亡にいたる可能性があります。これらの副作用のおきる確率は検査全体の0.0005-0.001%(10-20万人に1人)と報告されています。

Bその他、ごくまれに予期せぬ副作用・合併症が生じることがあります。また造影剤使用時には体が熱くなることがありますが、血管に対する直接の刺激で正常な反応であり心配はありません。

3)造影剤を用いた検査を行えない人

現在のところ、副作用の発生を事前に予測する確実な方法はありません。ただしアレルギー体質の方は副作用を生じる可能性が約3倍多いとされ、特に喘息の方の副作用発生の可能性は10倍とされています。腎機能の悪い方では腎機能がさらに悪化する危険性があります。またその他、造影剤の使用が禁忌とされているいくつかの疾患や病態(甲状腺疾患・心不全など)があります。

重篤な副作用を最小限とするために別紙の問診表に記入いただき、該当される方は予め検査担当医にお知らせ下さい。造影剤の使用につき慎重に検討いたします。当日体調の悪い方は検査担当者にお知らせ下さい。

4)緊急時の対応について

副作用や合併症が生じた場合は、医師や看護師が必要に応じて適切な治療・対応を行います。大きいお子さんで、検査中に注射部の痛み・不快感・体調不良などを感じた場合は直ちに担当者へとお知らせ下さい。検査室には必要な医薬品や救急用設備を用意してあります。検査終了の後日、遅発性副作用が生じた場合も、適切な診察と治療を実施いたします。

5)検査のための準備

副作用の吐き気・嘔吐が生じた場合の肺への食物の誤嚥をさけるために、検査当日は食事制限をさせていただいております。


 

同意書

 

 

担当医師より今回の検査についての説明を受け、また検査説明用紙を読んだ上で、経静脈的腎盂尿管造影検査

 

                     同意する                同意しない

 

 

 

 

説明日 20  年  月  日

 

説明を受けた人:            

 

 

 

 

                                                担当医